ほまれ・やぶ発足の話～その1～

新年あけましておめでとうございます。
皆さまのおかげで、お正月を無事迎えることが出来ました。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

昨年の4月にスタートして次の春で1年を迎えるほまれ・やぶですが、
ここで法人発足のエピソードをお話したいと思いますので、
しばしお付き合い頂けると幸いです。

兵庫県養父市が、国の農業戦略特区に選定されたご縁で、
三木市で農業を行っていた山陽Amnak（アムナック)が、
ここ建屋でも農業事業を展開しようと(株)Amnakをスタートしました。

三木市で農業に取り組む中で、労働力が必須となることから
就労支援施設B型からスタッフ数名と職員を派遣して頂いていました。

そこで出会った1人の女性利用者が、ほまれ立ち上げのきっかけとなります。
数名の利用者と共に車で連れられて来た彼女は、
勤務初日、車から降りることが出来ませんでした。
そこで、数か月間は内職出来る材料を職員が車に運び、
それを彼女が車の中で作業し、出来上がったら職員が取りに行くと言う状態でした。

その後、徐々に職員に運んでもらっていたのが
車から降りて自分で材料を取りに行き、出来上がったものを持って行きと出来る様になり、
さらに他の利用者と作業出来る様になりと
常に小さな一歩ではありましたが、少しずつ彼女が出来ることが増えて行きました。

約半年が経ったある日のこと、他の利用者は休みで彼女1人と職員1人のみ出勤の日がありました。
私の頭には、初日の車から出て来れない彼女の姿がよぎりました。
しかし、彼女は車から降りると自分で歩いて作業所に入って行き、
ブレーカーを1人で上げ、作業の準備を淡々とこなして行き、
作業場で1人で作業が出来る様になっていました。

当初、車から降りることすら出来なかった彼女ですが
こんなにも内に力を秘めていたことに私は感銘を受け、
農業を通じてその力を引き出すお手伝いをしたいと言う思いが芽生えました。

※写真は、本日利用者さんと職員で神社に参拝に行き、山の上から撮影した建屋の風景です。
このすぐ近くに、天然記念物のかやの木があると教えてもらいました。